屋 根 裏 画 廊
            編集 : くれ はるお
RITSU SHIMAKI

島木 律 ・・・暴かれた時代の本質と展開する絵巻

 戦後間もない頃から独自の方法で芸術活動を実践した島木律の作品群を見渡してそこに感じられるものは激しい行動力と時代を見極めようとする鋭い眼差しである。といっても作品そのものにその鋭い眼差しが際立っているという訳ではなく、作品の背後に島木律の生きた時代を見据える鋭い眼光をまさにリアルタイムに感じるのだ。すなわちそれらの作品の作られた時代が、島木律の視線とともに彷彿されるのである。しかしながら個々の作品の中ではその鋭い眼差しは作品を彩るパーツや絵の具に融和し、それらが発するエネルギーは人間的温かさで満ち溢れたアンサンブルとして鳴り響く。

 島木律は変貌する時代の流れの真っ只中にあってその最深部から時代の本質をつかみとる。但し、それを単純に立体や平面に置き換えたりはしない。島木律固有の感性、人間的な温かさ、愛情、更に適確な合理性を通して物語や絵巻物のように展開するのだ。しかも、借り物の様式や言葉ではなく全てを作者自身が確立した様式と言葉で。私はここに創造という行為のひとつのあり方をまざまざと見せつけられた思いがする。

 本画廊で紹介する作品は2003年に出版された『島木 律 (RITSU SHIMAKI 2002)』に掲載されたもので、この本の中にはそれぞれ2ページに渡る美術評論家 ヨシダ ヨシエ氏と色彩心理研究家末永蒼生氏の一文が寄せられており、島木律の作品に共鳴された方には是非とも購入されることをお奨めする。 (文:くれ はるお)

カラスと機関車(1971)
あいの溢路 A
あいの溢路 B
原稿とめし
1969
1969
1974
  
ファイル74(A+B)
ファイルファイル75A
ファイルファイル75B
ベロシリーズA
幻視の足
『パチンコM45-30』
パチンコ供養
ザ・パチンコ M45-30、M45-35
『身体空間パズル-S(足)』
『身体空間パズル-S(足)』
身体空間パズル-S(足)
化がく伝説
1986
1988
ねぎとDP300
汚染火夢譚
共生(地球号の住民たち)
1989
1992
1992
伝説 青と黒のドラマCO2 
山の幸 海の幸
レンズからみた街
宙音
街の履歴書
身体捜し
あやとり
あやとり A
考古学的メッセージ
遠藤周作”深い河”に寄せて